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このページは愛川町議会議員玉利まさるのホームページです。
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2015年6月までの記事は玉利まさる@愛川町の内視鏡(旧ページ)に残しますので、どちらもよろしくおねがいします。
                   編集子 K



2016年3月7日月曜日

2016年1月10日から



●1月10~16 ~気になる人口減対策~

 ご存知、国は地方に人口減対策(まち・ひと・しごと創生)の27年中の策定を求めた。というわけで、大詰めの今、厚木・相模原・海老名……、次から次へ「人口ビジョン」と「総合戦略」とが発表されている。とはいえ、わが町はそうした元気な町ではない。減少率は県内56市区町村でワースト10、ここ数年はトップランク入り。というわけで、今週はまず周辺市町の対策ぶりの調査で大変でありました。

 さて、そんなわけでちょっとした外出は3度のみ。1つ目は町内一周駅伝です。今年は来賓席でないありがたさ、この機会にコースを追走してみました。すると、人、人、また人。沿道にはきっと1500人は越す町民の支援です。情報は新聞販売店の折り込みで知ったとか。でも主催者は町です。しかもわが愛川町は「スポーツ宣言」のまち、販売店頼みでなく、もっと自分たちで宣伝してよ、と思うわけ。

 2つ目は「やまゆり」関係。たぶん団塊世代ならご存知、64年の東京オリンピックのヨットレースで伴走した帆船の名です。その美しさに人呼んで「海の貴婦人」。ぼくなぞ、少年の胸をときめかせたクチです。

 いま、ふたたび次の東京オリンピックで走らせたい。が、老朽化がひどく、修繕、維持と管理に金がなく、寄付募集とか。で、ぼくも江ノ島まで確かめに行きました。うん、やっぱ、貴婦人はご高齢でも美しい。チョー貧乏でも、「青春をありがとう」の気持ちでなんとか寄付をかき集めるつもりです。

 そして3つ目。「Aikawa Adventure」です。トレッキング、オリエンテーション、サイクリング、etc。その出発点が地元なので観に行くと、若者がぞろぞろ。どこから集まってくるのか。訊けば、みんなネットで知り2,3日で定員オーバー。ぼくが町内の回覧で知った時にはすでに締めきり。町も後援している限り、もっと素早い行動を! そのため肝心の町民の参加はパラパラ。こんな感覚だと「若者に人気のまちづくり」できません。

 ただし一つ苦言。ぼくの家の前がオリエンテーションのコースで、次々若い人がやってきて、スマホを見せ、「ここはどこですか」 おい、人にものを尋ねる場合は「すみません」とか「ありがとう」の一声もな。

 それ以外は、調べ物だけだと滅入るので、本を3冊、中でも17歳で芥川賞の「黒冷水」はキラキラ、しかも中学や高校生の親の必読のおまけ付き。それと「流」で直木賞をとった東山さんの「路傍」 でも東山さんの面白さは読者の頭の回転の早さも試される。自信のある方は挑戦を。



●1月17~24 ~気になる人口減②~

 周辺市町村の人口減対策が次々明らかになる折、我町のビジョンと総合戦略が発表されました、そこで意気込んで読む。と、ン、これなんなんだ、これ! ほとんど周辺市町村と変わらない対策、ということはすでに町が取り組んできたこと、と、そしてあまり成果を挙げなかった事業もズラーリ。だから何なんだ。

 考えるまでもない、たとえば町が海老名や厚木の真似をしたとする。同じ対策だとする。ならば人はより交通の便の良い、より元気な海老名や厚木に流出するだろう。「真似」の意味は、真似しなければ愛川がもっとダメになるだけで、それ以上ではない。たいせつなのは「真似」は最低限の必要条件で、それにどうオリジナルのプラスを付け加えるか、十分条件を加えるか。それがない。

 そこで、ぼくは(とっくに知っているが)すでにオリジナリティで評判の先進地の総合戦略を7件チェックしてみた。おお、やっぱ独自色に磨きがかかり、大胆でありました。

 ならば、町民には、まず町の人口ビジョンと総合戦略を知ってもらい、危機感を持ってもらう他ない。愛川のオリジナルな対策はその後の話です。

 つい長くなったけど、そんなわけで今週は、周辺やわが町の「まち・ひと・しごと創生」の精読と、愛川町の実態を訴える原稿書きに手一杯でした。

 主な外出は2回だけ、一つは川崎のヘイトスピーチへ反対する方のする会です。正直、ぼくは北はもちろんパク政権などヘイトですが、それとこれは別。だからといって在日をヘイトする人はさらに嫌い。その偏向はかえって日本人を貶めているから。で、集会の感想。在日(朝鮮人)自身が中心になってヘイトをヘイトするのではなく、川崎市民自身が、ヘイト団体を日本人の恥部とみなければ、この問題は解決しない、です。

 もう一つは旭区の左近山団地の再生委員会の集いの見学。ぼくの町では旧相川地区の活性化が叫ばれているけど、ちっとも地元住民は動かない。昨年など、地元の区長と町議の集まりで地元からの行動をおこす必要を訴えたら、K町議に「そんなことを本気でしたいなら町議をやめろ」と罵られたりして。で、左近山で学んだ感想。「区長(自治会長)さん、選挙田の建前だけの町議に願っても、旧愛川地区は活性化しませんヨ」です。

 なお、気になるニュースも一つ。折から、「第6回地域再生大賞」が発表されました。ぼくは、すでに議会でそのいくつかは報告してきましたが、受賞事業はいつもアイディアに富んでいます。皆さん、総合戦略のオリジナル性の参考に、ぜひ一度、情報を検索したらどうでしょう。



●1月24~31 ~甘利大臣辞任の背景~

 今週は3度ほど所要の外出をしていますが、ほかは今までの流れの延長で、せっせ、せっせ。わが愛川町の「まち・ひと・しごと創生(人口ビジョンと総合戦略)」の実態を訴える原稿書きでした。

 外出でありますが3箇所で、うち2つは人口減関係の町民と議員の意見交換会です。なかでも南足柄が地方創生をテーマの中心にしたのは一つの見識でありましょう。この町は創生案づくりの過程で危機感を持ったので小田原との合併も視野に入れ出しました。これまた一つの見識か。というわけで傍聴に出向いたのです。が、残念。町民の危機感はそれほどではなかった。ともあれ、ぼくの町の意見交換会のテーマも地方創生にしてほしい。

 それからあと一つは、小林節さんの講演会へ。国会で安保法案を違反とした学者の話です。ぼくも、法案の良し悪し以前に、この法案の策定手法は立憲主義に悖るとする立場ですので、話を聞きに行きました。ただし、事前にかれの「白熱講義! 集団的自衛権」は読んでいるので、新たに得るものはなく残念。なお、会場で「戦争法案反対」の署名活動をしていたけど、ぼくはパス。ぼくも個人的には安保法案の中身は戦争法案に近いと思うけど、法案名が安保法案なので、違憲法案と呼べば、幻の法案への署名になるのでパスでした。じっさい、この法案を戦争法案と呼ぶのは一つの恣意です。ちょうど憲法9条を解釈憲法と呼ぶのが恣意であるのと同じに、ぼくは「恣意」を否定する。賛否は堂々としてほしい。

 ところで今週最大のニュースは甘利大臣辞任です。直接の原因は、知る通り、100万円の本人の受け取り。その点、辞任は当然ですが、どうも報道の仕方が気に食わない。受け取りを追求するのは良い。批判も良い。自民党の体質を気にするのも、まぁ、わかる。しかし、果たしてこれは自民党の体質の問題だけだろうか。ぼくは、違うと思う。

 それ以前に、人はどうやって選挙のときに投票するのか。その人の「政策で決める」はほとんどない。地元だから、知ってる人だから、親戚だから、挨拶してくれるから、握手したから、おごってくれるから……。そしてその延長にあるのが、自分のために何かしてくれるから。これは自民党の体質ではなく、地方議員そのものの体質ではないのか。たとえば地方議会の一般質問さえそうだ。ここは本来、町、市、県全体にかかわるテーマを云々する場、政策を論じる場だが、」じつはそうなってない。ぼくは町議の時、どれほどたくさん、本会議で、どこそこの道路の枝を切ってくださいとか、どこそこに信号をつけてくださいとか、あるいはテニスコートを張り替えてくださいとかの要望を耳にしてきたことなのか。そして、これらの大半は、実は特定の個人の、あるいは特定の団体の要望なのです。こうしたものは、直接、所管に伝えれば済むが、あえて一般質問でする。要望者に、団体に、「オレがやりました」と見せるため、次回も投票してもらうため。その延長線上にあるのが、つい菓子折りをもらった、つい金をもらった、そしてその体質の行き着く先が市議から県議、県議から国会へ及んだ体質なのです。まず地方選挙のありかたを変えないと変わらない。」ああ、根は深い。ほんとにその人の政策で、政策実現のための活動で人を選ぶ選挙になる日はいつのことやら。ぼくの国に、民主主義のルールはあるけど民主主義はない。腹のたつ甘利問題なのでした。



●2月1~7

 今週は、いきなりストーブがこわれて、寒さに震えながら始まる。ちなみに室温3度です。

 さて、主な外出は3回。で、2日は県の厚木土木事務所へ。用件は、馬渡橋の架替工事で中断している花壇をどこへどう作るかの打ち合わせ。こんなことで、ふつう町ならいちいちボランティアに声をかけない。もしや県のほうが協働が進んでいるのか。

 4日は横浜へ。この頃、時間と懐(ふところ)具合の関係で構想日本のフォーラムをサボりがちです。そこでフォーラム常連の市議3人と情報交換でありました。そして6日が中井町。人口減社会の折、「意見交換会」の傍聴です。なにしろこの町は愛川町に並ぶ人口減町なので参考になると思ったけど、危機感はイマイチ。ということは、イマイチだから対応が遅れるのでしょう。そういえば、」小田原と合併協議会を立ち上げる南足柄市の人口減率はわが町より10ポイントもましです。たまたまこの2市の減少率は同じだからスケールメリットを追うのでしょうか。

 なお、こんなことばかり書いていると、「県内ではどこが危ない?」と聞かれる。危ないかどうかは危機感次第だが、単純に減少率のワースト3は。箱根を筆頭に真鶴、松田です。それに山北、そしてわが町の隣の清川さんが続きます。よく人口減対策の一つに観光対策があげられるけど、それは経済対策とはなっても人口対策ではない証です。参考にしてください。

 ついで今週の本の紹介を3冊。イチオシが青山文平さんの「つまをめとらば」です。さすが年輪を重ねてからの受賞作品。とにかく文章がすごく良い。そして中身。ぼくはとかく現代とくらべて、やれ昭和はよかったとか、明治の大切なものを失ったという。が、これを読むと、それ以上に江戸時代にあった日本人の大事なものを気持ちよく思い起こさせてくれます。長くなったけど、2冊めはそれと対照的な有川浩さんの「植物図鑑」です。ぼくたちは「この頃の若者は元気が無い」とか「根性に欠ける」が口癖ですが、こちらにそうした若者の、昭和にはない癒しの世界が描かれています。ぼくたち昭和男の果たせなかった青春とでもいうのでしょうか、読めば素直に反省しながら、気持よく「回春」できるかも。そして、「過去」と「現代」とくれば、「未来」です。このまま「昭和男」を強引に押し通すと将来どうなるか。原宏一さんの「床下仙人」です。冷静に考えると恐怖の話を、おもしろおかしく読める不思議な奇想小説でありますが、ぜひ一読を。

 最後にすこしカタイ本、「子供のまま中年化する若者たち」(鍔田恭平)です。これこそ年配目線のこの頃の若者の分析本です。この本のテーマではないけど、読めば反面教師的に、少子化対策がうまくいかない理由が見えてきて、それなりヒントになるでしょう。

 終わりは恒例のニュースについての寸言。まずは頭にきたのが、清原が薬物を服用した話です。といっても、その良し悪しの話のことではありません。なんですか、メディアの大ニュース扱いは? そんなものに大紙面を割くなよ。

 そもそも今やクスリの事件は日常茶飯事。それを大ニュースとは。清原がかつて超有名野球選手だからか。それとも“ガタイ”に似合わぬ犯罪故か。でもネ、それだと同じ犯罪で無名で普通体型だと罪が軽くなるみたいで不愉快です。イケナイことまで大物扱いしてどうすんの。メディアの有名病は困ったものです。

反対に気になったのが台湾・高雄の大地震。そこで思い出すのが3・11です。あのとき中国人がたくさんボランティアでやってきました。その時、同じ中国人で本土の人にはボランティアにかこつけた情報収集の人がいっぱい。一方、台湾人は、同胞として、ほんとに日本人を心配してくれました。こんなときこそ、メディアは「あの時の恩を忘れるな」と訴え、日本からの支援を呼びかけてもらいたい。おりから本土の中国の横暴は目に余る。その抑止のためにも。今日、マスコミは何が大切なニュースかの視点を欠いている。メディアがミーハー化し、大衆迎合し、社会的責任を忘れたせいだろう。

戻って、メディアは人口減少問題でも、表面の対策に目を奪われ、その本質を追求していない。木を見て森を見ずだと、ぼくたちは一億白痴化してしまう。