<ウクライナ侵攻 怒りと涙が止まらない>
●本当に平和は大切か ~ ぼくは疑う ~
今回、予告していたとおり、この紙面をウクライナ特集としました。理由は大きく二つです。その1 つは、日本人は、口を開けば、平和が大切とか、唯一の被爆国とかいうけど、ならばどれほどウクライナを心配していますか。心配なら、支援してますか。そもそも戦争の原因を知ってますか。何か解決しようとしていますか。ぼくは、日本人は知らない 見えていない、に思える。その原因は政治とメディアです。そこで語られるのはほぼ戦争の現況報告一色。たとえば今日はどこで何人殺されたとか。原因を気にしないので、いわば他人事。だから口先が訴える平和もから回りして絵空事になるのでしょうか。たぶん愛川町でただ一人、25歳でチェコ侵攻の直前を目にして、翌年は戦場でヴェトナムの戦争報道のウソ(大本営発表)を知ったぼくは、ウクライナ報道に怒ります。平和とは、戦争の背景を語ることから始まるのでないですか。
●ウクライナを知ろう ~ 共に泣くために ~
毎朝、新聞にどこかの誰かの死亡記事です。誰も泣きません。それどころか読んだとたん忘れる。すこし知った方なら2、3時間気になる。親しく身近ならたぶん泣く。ではウクライナ人の死はどうか。言うも愚かでしょう。では、そのウクライナ人を知るとどうか。やはり泣かないが、「もっと知る」だと話は変る。かれらは戦争で亡くなるのであり、戦死は私たちも体験している。たとえば作家の五木さんは、目前、ロシア人に親を殺されている。もうウクライナ人の死は他人事ではありえないのです。かれにウクライナは自分事です。いまのメディアに他人事を自分事にする報道姿勢がありません。いきおい日本人の平和主義は口先になりがち。ゼレンスキーの国会での国連無能論の訴えも他人事でした。平和ボケの私たちはそれにも気がつかない。だからウクライナを知ってほしい。ロシアのウクライナ侵攻は、ウクライナではなく、じつは世界史を変える出来事なのです。