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このページは愛川町議会議員玉利まさるのホームページです。
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2015年6月までの記事は玉利まさる@愛川町の内視鏡(旧ページ)に残しますので、どちらもよろしくおねがいします。
                   編集子 K



2016年5月18日水曜日





●4月4~10 ~これじゃダメ~

 さくらの季節です。草むしりや読書のあいまにちょこちょこ近所に出掛けては、あゝ、今年も桜だなあ、というかその逆、出かけてはあいまに草むしりや読書、まるきり平凡な一週間。こんな暮らしじゃダメだ。やりたいことは多いのに。

 で、出かけたのは葬式、行政区の総会、河原清掃ボラ、「明るいJAにする会」のバーベキュー、エトセトラ。例年行く菜の花まつりはうっかりミスでパスでした。

 その中で、心残りはSさんのお葬式。つい10日か2週間前まで元気だったのに。享年82歳。歳をとると元気でコロリか、それともかれがよい人過ぎたか。現役時代は仕事バリバリの社長だったが自慢を聞いたことなし。かなりの教養人だが、知識を語らない。多くの有段者が他人の碁に口出ししたがるが、勝っても照れているだけ、控えめの手本みたいな方だった。こういう人はなくなる時も気配りか。最期さえ、暖かい日を選び、まさに「花のもとに春死なん」でありました。合掌

 総会といえば、ぼくは宮本区に住む。この地は有名な「横須賀海軍半原水源池」をかかえるが、昨年、100年の幕を閉じました。さて、その広大な緑豊かな跡をどうするか。総会にそんな話題一切なく残念。(なお、これについては4/4、夕方6時よりラビンで話しあい。一人でも多くの参加を願うばかりです)

 そうそう、この時期は卒業シーズン、例年だと来賓参加だが、今年はなし。なしだからかえって想像してしまう。今年も小学校の子どもに親は昔の女子大生みたいな格好をさせるのでしょうか。ま、親の気持ちは分かるけど、晴れ着のない母子家庭の子はそれを見てどう思う。卒業式は質素な身なりで! つい思う。

 ニュース。ある民進さんは、ガソリン代疑惑につづき偽装後援会問題。ブーメランが繰り返すです。が、ぼくはそれ自体は責めない。人は叩けばホコリだし、ぼくにも弱みはあるのだし。要はバレた時の対応。即辞任なら人気が出たかも。党首が辞めさせれば低調が止まったかも。結局、正義は偽善と国民に知らせただけです。それが残念。

 もう1つ、パナマ文書です。中に日本の企業がズラリ。467社です。厚木にも一社あるようだけど、企業からは“風評被害“の悲鳴がしきり。えっ、被害者だって。本当か。

 本ですが、今回は一冊。オススメは百田さんの「カエルの天国」といっても久美堂のカリスマさんのご推奨。中身は安全保障関係だけど寓話なので読みやすい。欠点は面白すぎて1,2時間で読み終わること。でも著者に聞きたい。安保問題は、右寄りも左の人も狂信的だ。ということは知的に勉強することはない。さて、この本でなにが変わるか。



●オマケ だから何なのさ

 たぶん世の中の99%はどうでも良い話で成り立っている。例えば妻が知人の夫の出世や稼ぎ、他所の子の学力、あるいは浮気を話題にすると夫は愚痴る。「だから何なのさ」そして、夫は語る。政治や経済や世の動きをさもエラソーに、高級な話題みたいに。が、これも、妻から見れば「だから何なのよ」文化、スポーツ、芸能、趣味、みな然り。つまるところ同じで、だから何なの。どうでもよい話。でも語る。要は、人は語りたい。あるいは認められたい。

 そう思っている時に手にしました。「神さまのコドモ」 1話3分で読めるどうでもよい話の42の物語。すべて荒唐無稽なのについ読んじゃう。気がついた。あまりにくだらないからつい読んじゃう。例えば、ぼくならこんなオチにしないぞ、ぼくならこう書いて含蓄をもたせるぞ、といった具合に。そして、また気づく。人は考えたいのだ。あるいは作者より上に立ちたいのだ。もうひとつ、大衆は評論家でありたいのだ。だから何なのさ。

 そこで、さらに考える。そうだ、ぼくは、ほんとは評論家になりたくない。もっと確実に生きてきた何かをやりたい。その実績がなく評論家しているから、毎日、カラ元気でウツウツとしている。今を現役で頑張っている人にウツウツの暇はない。チクショー。やるゾ。この頃のぼくのこころです。行け、どうでもよい話の脱却へ! でもどうやって? あれっ、これもどうでもよい話か。





2016年4月21日木曜日

これでいいですか愛川町(新聞折り込みのWeb版)


Apr.15.2016 by玉利まさる


議会や町政が変わりましたか

 

 町議会が新体制になり半年になります。その間に町の人口ビジョンが発表され、3月には、今年が折り返し点ということで、はじめての本格的な“小野澤予算”が成立しました。

 そのせいでしょうか。ぼくはよく聞かれます。新人が入ってなにか変わりましたか。町の人口減対策はほんとに大丈夫ですか。そして、町長は頑張っていますか。ウッ、そんな質問をボクにされても困るけど、気分は分かります。「議会や町政が見えにくい」は事実です。しかし、加えれば「愛川町の内視鏡」を出す立場でもなければ、その経済力もないのも事実です。ウーン、唸った挙句に決めました。かつての「これでいいですか愛川町」みたいに議会ごとにとは行かないが、2議会ぶんを1回として、なんとか年2回出しましょう。むろん中身は薄くなるけれど、ぼくの信念の残滓といった意味でも、今でも励ましてくれる方へのお礼の意味でも。

●新人 ~それなりに新鮮~


 さて、新人3人の登場で何が変わったか。正直、議会はベテランが“大きな顔の社会”ですから、それほど変化無し。とはいえ、その大きな顔が減り、新人が懸命にやるのは新鮮です。とくに鈴木・阿部両町議は真面目です。存在自体に刺激的な意味がある感じです。

●人口ビジョン ~大山鳴動して~


 人口減対策、わけても総合戦略はそれなり巷の注目を浴びました。が、議会の質疑は、正直、いま一、いま二です。はじめて事業に目標値が設定されたのにその根拠を問う質問はほぼゼロです。町議の質が気になるが、選んだのは町民ですから、感想は「ウーン」のみ。

●小野沢色 ~まさに愛川町民の声~


 もともと町長の公約は大半が町民の要望を並べたものですが、今回はその多くを事業化しました。そして、要望の多くは町民の“おねだり”で、共産・公明の得意分野です。それに応えた予算だったと言えるかも。反面、本当に大きな政策はなかった、とも言えるでしょう。町民の要望レベルの反映でありました。

 

 


12月議会 ~無難なスタートだが~



●まずは一般質問。12人が質問しましたが、その中身はざっぱに議会だよりに出ているので略します。ただし、一般質問の本旨は「町全般に関わる政策を問う」です。たとえば区長さんのあつかう地元の道路事業などは範囲ではありません。その点、どうであったか。

 さて、その旨に沿うと、井上・山中・渡辺・鈴木・阿部・佐藤りえ・熊坂崇徳のテーマは評価できる視点を含んでいました。むろん、テーマは良くても「訊くだけ」は除外です。



●つぎに質疑ですが、12月議会の議案は補正予算と条例です。つまり、不可欠なものと国の法改正を伴うものが主です。その点、ただ答弁を訊くだけなら「質疑なし」も一つの見識でしょう。というわけで問題なしでした。



●それから請願・陳情です。私学助成の拡充を求める意見書の国への提出を採択しなかったのはどうでしょう、地方が国での議論を否定するわけだし。あと一つ、安保法案関係の陳情の扱い方です。同じものが9月議会に提出され、その時は「継続審査」扱い、そして今回は審議なし。これは論理の矛盾です。いかがなものか。



●最後は、議会が閉会してから開かれた、町の「人口ビジョン」と「総合戦略」についての質疑です。とりあえず議長以外の全員が質したのは評価しますが、中身はどうでしょう。井出・渡辺・阿部町議、目標値(KPI)の根拠を気にした崇徳、りえ町議などは評価できます。しかし、大方は聴くだけで、かなり残念でした。

 なお、この重大テーマで、ある町議が「項目は多いけど大したことは訊かないので安心して」と笑いを取ったのはいかがでしょうか。

 まあ全体には不可なしの12月でありました。




3月議会 ~不適切発言の背景は~

一般質問です。ざっぱな中身は、例により敬称略で以下です。さえ、本旨に合っていたか。
井上(消防・防災・半原活性化)、山中(愛川ブランド、‘25年問題)、渡辺(総合戦略、駅伝大会、給食)、小倉(PPS(新電力)、道の駅、バイオマス発電)、馬場(環境施設組合、消防団員の制服、職員の健康、町長の意気込み)、木下(愛川聖苑、職員の意識改革、社協との連携)、小林(国保税、三増陸上競技場)
阿部(地域包括ケア、新財源創出)、佐藤りえ(引きこもり対策、代読・代筆支援、ヘルプカード)、岸上(生活習慣病、マイナンバー)、佐藤茂(都市マスタープラン、教育長の抱負)、鈴木(給食、災害時の要支援者支援)、熊坂崇徳(観光振興、財源の確保)


 そして、このテーマから、訊くだけ、同じテーマの繰り返しなどを省き、政策性からみてみると、山中、渡辺、小倉、小林、阿部、りえ、鈴木、崇徳町議の質問に評価したいものがありました。もちろん、テーマはよくても、町が取り組んでいる個別の事業は総括質疑のテーマですので、評価から除外しています。なお馬場町議が4年ぶりに質問。努力賞かも。





●つぎに総括・代表質疑です。主に予算関係に集中し、人口減少対策とからむ追及があまりなく残念しきりです。そうしたなかで、井手町議を筆頭に、渡辺・山中両町議はそれなり見識を示していました。また小林、りえ、崇徳町議も頑張っていました。そして新人町議の一人に質問がなく、残念でありました。

 なお、今回ある町議が、不謹慎や意味不明発言をし、一部「議事録抹消」の扱いを受けました。かれを弁護する気なないけれど、今まで議会にそうした発言を黙認する流れはなかったか。これは議会全体の反省材料でもあるでしょう。質問・質疑なしは不真面目の極みだし、訊くだけもある。根の深い“事件”です。





●それから、軽度外傷性脳損傷などの相談窓口の設置や障害者など移動困難者の通院支援そして重度障害者の医療助成継続を求める陳情などがあり、鈴木町議ががんばったけど採択なしです。弱者への思いやりこそ町議の姿勢の基本に思うと悲しすぎました。





●最後に。人事院勧告による職員の給与アップなどに合わせた議員提案(議員報酬アップ)の可決です。おっ、弱者に冷たく、自分に暖かく。なんという調子のよさなのか。第三者ではなく、自分たちでアップを求め、可決するとは。

 そもそも人事院勧告とは何か。職業別民間給与実態調査は、ほとんど大企業が対象で、民間の年収をおよそ1300万円としている。それに準じて公務員の給与を決め、真似して議員報酬アップとは。ちなみに実態に近い国税庁の調査だと、民間の給与はその半分以下だし、愛川町民の給与はさらに下。バカにされ3月の終わりです。


玉ちゃんのザ対策・人口減① ~財源は医療費に~



 町の予算は241億ですが、4割強が医療費です。国保などの会計が95億円、一般会計への食い込み7億円です。しかも高額医療や介護保険の会計は年2億円以上の増加です。

 ふつうその意味は、財政パンクまたは極度の行政サービスの低下です。視点を変えます。そのなかの無駄を5%見直すと、5億円の財源が捻出できます。その分、大胆な人口減対策に回せます。じつは国保会計などは財源の宝庫です。

 「医療費へのメス」の先例は全国にあります。典型の一つは夕張市で、破綻を契機に見直し、立ち直ったのです。

 手法は無限にありますが、肝は、どう安易な通院、クスリ漬け、大学病院依存、高齢医療を見直すか、そして未病・予防を充実させるかなどに尽きるでしょう。

 紙幅がないのでポイントを絞ります。ジェネリックの徹底だけでも医療費は下がります。しかし最も重要なのは、いわゆる町医者の、総合医化、ファミリー医化、かかりつけ医化です。地元医師が、家族の病歴・薬歴・生活環境の情報を一元化し、適切に指導すると大幅に医療費の無駄は減ります。かつてサッチャーが実行しましたが、銚子市その他がその例です。

 あと一つ、国保会計の広域化でレセプトの分析が進んでいます。その情報により、高額なものから手を打てば、相当無駄が省けます。

 因みにわが町だと年10億円は財源を産めます、ザ・対策の筆頭に医療費を上げた理由です。

ミニ・ノート



●「内視鏡を出せ」の声に押され、「これでいいですか」の復活です。2議会に1回で中身が薄くなり、ゴメンね。何にかで埋める準備中。

●1面は、議員の新旧交代の大切さや町議の人口減への無関心を強調しました。ぼくの心配が伝わることを願ってやみません。

●2面3面は主に一般質問の内容。あえて質問・質疑の本旨にも触れました。町議の実力の評価の参考になれば、の積りです。

●4面は、ぼくの人口減対策です。町の対策の何が不足か見えるべく工夫しました。いわゆる人口減少対策の多様性を知って欲しくて。

●なお4月20日にそれについての報告会、24日は半原水源地について話し合い。

詳細は090-5204-6030へ。


緊急追記


3月、町の総合戦略に交付金がつきました。まだ時間的に戦略の評価はできないが、国政選挙の近いおり、全国一斉です。因みに交付額は清川並みの少額。戦略がよくて勝ち取ったわけでありません。誤解なきよう念のため。



愛川町半原4345「これでいいですか愛川町」玉利記


●3月21~27 ~犬はあるけど~

 今週は何故か出歩きが重なった。しかし、犬も歩けば棒に当たるというけど、ノラ犬はあたっても大した収穫がないという話体験です。

 たとえば、月曜は孫が「ご入学」という地球儀や世界物知り地図の買い物。一応は世間並みの爺さんぶりだが、普段接触が少なく、孫のことはよくわからない。それで買い物をして自己満足。その俗物に呆れる。

 火曜は市ヶ谷でがんばろう日本の方と意見の交換。ついでに棋院で一局打って気分転換。

 金曜は議会最終日。全員が賛成討論で面白くない。とくにある女性、町への評価、感謝、敬意の連発でなにそれ。町民に代わりチェックする立場がゴマスリではなにか見苦しい。

 土曜は横浜で「主権者教育を考える」の集い。18歳選挙権の折からです。が、何、その内容。今の大人が守れない主権者の責任を18歳に押し付けてどうする。自己反省を訴えろ。

 まだあるが、こんな具合でありました。

 つぎに大きなニュースは、ベルギー・テロだが、「日本はヘンに首を突っ込み、巻き込まれるな」の一言で終わりにし、気になるのは児童相談所の不作為による中学生の自殺です。そもそも何のために児童相談所に親から子を離す権限を与えたか。なぜそれが機能しないか。事あるごとに騒ぐより、児童相談所の体質を問えよ。



●オマケ ゲス考

 この頃、メディアに「ゲス」という言葉がしばしば登場する。たとえば「乙武さんが不倫したとか。あいつはゲスだった」といった具合に。その使い方で良いのだろうか。

 因みに「ゲス」は下種と書く。時に下衆とも下司とも書く。元の意味は、身分の低い人、あるいは知能の劣る人。そうした人たちは品性に欠ける想像をしやすい。そこから転じ、末梢なことに気を転じ、余計なことに品性に欠けた疑いをするひとを下衆という。「まあ、乙武さんイヤラシ―」などの使い方を「下衆の勘繰り」といい、これが本来の言葉の使い方です。したがい、ゲスは乙武さんではなく、変な想像をした人たちのほうであります。して見ると、ゲスなのは騒ぐメディアです。

 そもそも乙武さんが身分が低いとか知性にかけると誰が言えるか。まして不倫なぞ、個人や夫婦の問題。その事情なぞ誰もわからない。仮に、本人が認めているから不倫があったとし、それがいけないかもわからない。ぼくの知人に10年以上、妻に性交渉を拒まれ不倫した。それが責められるか。ある女性は夫の暴力と異常な性癖から逃れるために不倫した。責められるか。また妻が浮気の連続で夫が不倫した。このように人さまの事情は千差万別だから下衆の勘繰りなぞしたくない。エラソーに、あるいはウラヤマしさの裏返しみたいに。

 そもそも乙武さんは四肢が欠ける。にもかかわらず仮に5人の彼女がいたら、どう思うか。かれの行為は、どれほど同じように障害を抱える人たちを元気づけたことなのか、と頼もしく思う。障害者はきっと「手足がなくても、人間的に魅力があればモテるんだ」と勇気づけられた、と思う。

 じっさい、日本には障害者のための性的ボランティアの機関が少ない。かつて、それでも、ぼくはセックスしてくれる相手を見つけ、かれらに紹介したことがある。性欲は十分に健全であって、足の不自由な方にどれほど感謝されたことなのか、今回の乙武騒ぎで、ぼくはそれを思い出しました。

 ゲスな人たち、ゲスなメディアに言いたい。ない知恵で下品な噂を広めてくれるな。どうせなら、ない知恵を絞り、思いやりのある想像をしてくれ。かれは肢体不自由者の星です。希望です。あまりケチなことを言うんじゃない。

 最後に乙武の奥さま、いつもかれを支えてくれてありがとう。これからもよろしくネ!

 ぼくは、貴方の夫を弁護する謝罪に、苦悩を思うと、感謝を禁じえません。



※最後に今週のイチ押し本。それは。田中角栄を書いた慎太郎の「天才」 かれの“偉業”の歴史的評価や功罪は別として、ムチャ面白く、十分に考えさせられる本です。読んでね。



●3月29~4月3日 ~いつもどおり淡々と~

 今週は珍しく外出が少ない。ということはいつもどおりに淡々との毎日。メインは復活「これでいいですか愛川町」の原稿書き。紙幅は少ないし、書くべきテーマは多いし、加えてメリハリもほしいし、ああでもないこうでもないで3日かかってしまった。それで、他はといえば、草木の勢いのある時期、草むしりとか、障害者訪問とか、片付けとか、むろん読書に打碁とか……。外出らしい外出は「笛と太鼓の音楽祭」のみ。第7回にして、やっとそれなりの人出でした。何しろ外国の方(今年はネパール)からわざわざ演奏にみえるので、ほっとしました。この町は何をやっても住民が認識するのに時間がかかります。7回目にして行政(教育委員会)がそれなり後援するぐらいですから。

 一方、ニュースです。こちらは、結構、考えさせられました。まずは「民進党」のスタートですが、どうなるか。何しろ同名の台湾の人気政党は「同じ名で迷惑」なんて思っているぐらいです。ぜひぜひ、結束力と新鮮な政策力を見せ、名誉挽回してください。できるかなあ。岡田では暗いし、迫力に欠けるし。つぎは児童福祉法や虐待法の改正です。例えば「臨検」の強化など買う点はあるけど、それで何が変わるの。法を変えるのは良いけど、問題はそれを運用する人が変わるか、でしょ。気になるのは、役人的、つまり不作為、消極的な対応が変わるか、です。そして議員はそのあたりを十分に配慮したかです。また一つは、ハンセン病の隔離裁判を裁判所が謝罪したニュースです。これにはぼくの個人的な感慨があります。実は仲人の医師の父親がかつてハンセン病の名医でありました。その関係でむかしハンセン病の隔離地を訪れたことがありますが、一口で言えば「なんと異様に暗い環境なのか、そんなところに人を一生閉じ込めるとは」 そのせいか、謝罪までの道のりの長さを思う。これまた役人的な反応の鈍さからきた隔離だったか。

 最後は、「外国人労働者100万人」時代の到来です。これは。人口減社会と労働者不足が言わているおり、良いことか悪いことなのか微妙です。その意味は、中学、高校、あるいは大学でしっかり勉強しておかないと我々の就職先がなくなることです。欧米、たとえばスウェーデンやノルウェーでは100万人突破は「教育へ力を入れよ」でありました。気づく人が少なく、心配になります。

 終わりに、今週のおすすめ本ですが、正直、いま読んでいる本は面白くない。でもカタくてもよいなら一冊。「丸山真男と田中角栄」です。この丸山真男、60年安保のころ講演していました。高校生のぼくも聴きにいったけど、そんな世代にはなにか得るものがあるかも。チラリ、青春への悔悟もふくめて。



●オマケ ~どこまでが人権~

 「保育園落ちた、日本死ね」のブログを契機に、幼児を抱えるママさんたちが国会に押しかけたりで、いま待機児童問題がやかましい。だが、あえて誤解や批判を恐れずいえば、この問題どこまで国の、あるいは行政の問題だろうか。

 ぼくは、日頃は、政治の本質は弱者の代弁と訴えている。では待機児童を抱えた母親は弱者か。「日本死ね」とのたまい、幼児をダシに使うせいか、どうもそう見えなくなってしまう。

 だから思う。そもそも子どもを生むのは個人の問題だろう。産みたくても産めない人もいるし、すすんで産まない人もいる。子育てについてもしかり。選択は自由という点、個人の問題だ。仕事についてもまたしかり。働くのも働かないのも個人の問題。こちらも働きたくて働く人、働かないとやっていけず働く人、自ら子育てに専念したくて働かない人。選択は自由だ、ということは個人の問題だ。ということはもしかして国の問題ではない。

 ついで、もう一つそもそも、そうした選択の自由の中で、よほどに体力や気力があるのか、堂々と子を産み、堂々と仕事もするなど、そもそも彼女らは社会的に強者ではないのか。

 皮肉でない。ぼくは若くして妻を失い、子育てもしたから知っている。毎日がヘトヘトで、政治家よ、助けてくれ、と叫ぶ気力もなかった。第一、子育ては親の責任と決めていた。

だからつい想像する。幼児を抱え、同じように子育ては、とくに子どもが3歳までが勝負と決め、仕事を少し控え、頑張っているお母さんもいる。かの女たちは幼児を見せつけて主張する。日本死ね、の態度もどう思う。「黙々と頑張っている人が弱者だ」そう書くと、反論が聞こえる。「待機児童は300万人もいるのよ、個人の問題じゃないッ」「ウーッ、わかった」認めよう。そう社会的問題だ。で、その社会ってどこ。会社に行くのに預ける保育園がない、という社会問題だとしたら、もしかして、企業が保育園を用意しない会社問題かそれとも儲からないから保育を作らない増設問題か。いずれにしろ、子のない方、あるいは自己責任で子育てをしている方には無関係です。

 えっ、違うって、もっと広く国民全体の問題だって。300万人もいるから。ウッ、ウーッ、それも認めよう。たしかにそう考える国もある。たとえば北欧に。でも、その場合どうしたか。受益者負担の原則にしたがった。待機児童を国の問題としたから、税に跳ね返った。権利の主張は義務も伴う。

 ふと、そんなことを思うのは、日本死ね、が聞き苦しく、見せつけが見苦しかったせいか。ぼくは、あまりの声高は苦手です。つい正義に偽善を思う。待機児童問題の旗手に政治資金の疑惑があるのはそのせいでしょうか。

 ともあれ、待機児童問題でまず着手すべきは応益負担です。一定規模以上の会社には保育施設の設置の義務付けを。民間には保育園を作りやすい法の整備を。ぼくの願いです。

 こうした問題は、あまりに権利の主張で語ると、ことの本質を見失う。義務を忘れる。慎ましく一歩一歩歩いて行こうよ。ぼくは強い女が苦手です。というか、控えめに頑張っている、本来の意味で強い女が好きです。ぼくは古い人間なのだろうか。





2016年4月8日金曜日

●2月22~29 何かが動き出したけど

 今週の動きは、地元雑誌のための原稿(エッセイ)書き、収入ないけど確定申告、すこしはやるぞ、不便だし、というわけでパソコンの基礎の基礎の学習。そして大磯の木食同源にたった木製品展の見学。それから、3月議会の「ここが注目」についてぼくの意見広告の新聞の折り込み原稿、などなど、春になりなにか動き出したみたいです。

 つぎに新聞ニュースです。まず気になるのが“高校進学貸与、月5.2万円” これ、なんでしょ。困窮世帯の支援強化というなら呆れる。ぼくも議会で「子どもの貧困」を扱ったのでしているけど、困窮世代の中心は母子家庭だし、その家計はほぼ生活保護者並です。そして原因の多くは“逃げた夫はふつう子どもの養育費も払わない”です。お金持ちの厚労省の役人には何も実態が分かってない。貸与では怖くては借りられないし、そもそも5.2万円ではやっていけない。ウーン。

 次に「民維合流」ってなんですか。これ、そもそも野党、特に民主党の低迷は党内のゴタゴタに離合集散による。民維合流だって、多くの国民には「それって今度は大丈夫なの?」です。まずはゴタゴタを見せない体質になるのが先決でしょう。でないと民主党の応援はしにくい。

 一方。自民党も困ったもんです、結果力は買うけど、アダムズ方式の先送りってなんですか。諮問の無視です。なら、はじめから有識者会議などに諮るな。そもそも国は審議会をまるで政府の追認機関としているから、こんなこともおきます。もっとも地方自治体の審議会とか検討委員会なぞ、もっと御用色が強いけど。

 で、腹が立ってきたのでニュースは終わり。

 なお、29日は新年度の第一回目ということで、ほとんど議案説明の一日です。日程が53項目もあるけど、そのなかの18件が行政区への児童館の指定管理の指定です。とはいえ、もともと愛川町の場合、行政区自体が法的に行政区なら指定管理はいらないし、じつは自治会というなら、やはり指定管理者とすれば予算上の扱い方がわかりにくい。なんだろう。

 まあ、それはともかく、人口減対策元年なので、予算、総合戦略、5カ年計画、そして施政方針が相互に関連していて。似た説明が続いて、ヒエーというわけで、ぼくは傍聴を途中で退席です。そしてサポセンに寄りライブ中継で見たけど、相変わらず、画像が動かなくなったり、消えたりでありました。これもヒエー、です。

 あゝ、しんどの一週間でした。

 あと読書ですが、多忙で、息抜きのものを2,3冊。紹介するほどのものではなかったです。

 そうそう、もう1つ追加です。タウンニュースによると、「半原水源地の今後を考える会」が開かれたとか。さて、何が出来るだろう。この水源地を含め、旧愛川地区の活性化の話はもう何年もくすぶっているけど、少しも進展がない。そのためぼくも業を煮やして組織を作り行動することを提案したことがあるけど、地域の活性化は選挙用のタテマエなのか、古い町議によけいなことを言うなと叱られた。ぼくは「考える会」から声がかかってないので不参加でしたが、成功を祈るのみです。なにしろ行政や議会の本気度が見えませんので。



3月1~6 疲れ多忙か、ボケなのか

 いよいよ議会の本番だけど、ボケの一週間。まず月曜日に財布を落とす。コピオの久美堂で本を書い、ベンチで横に財布を置き、パラパラめくる。そこへ知人が来て、話しかけられ、席を立つ。財布を置いたまま。で紛失です。翌日も次の日も似たようなので、カバンとケータイの置き忘れ。これはどちらも店内のことなので出てきたが、この期も小さなミスをちょくちょく。ああ、多忙か粗忽か認知症の初期なのか。サンリンボーでした。

 さて、月曜火曜は一般質問です。注目は人口減関係に町議や町民の関心が熱いか。残念、一般質問13点(35項目)中、直接間接にふれたのが3件のみです。傍聴者数も普段と変わらず。注目といえば、馬場町議が4年半ぶりに質問したぐらい。

 そこで、雑把な中身です。人口減にふれるのは、山中町議の25年問題(団塊世代が高貴高齢者になる時期)、渡辺町議の総合戦略(主に交付金の活用)、それに少し触れるのが佐藤茂町議の都市マスタープラン(人口とのからみはなかったが)でありました。

 他は、いつもどおりのテーマや訊くだけや軽い要望でありました。(で、より詳しくは例により新聞折込で配布の予定です)

 なお、傍聴できなかったぶんはライブ傍聴でしたが、あいかわらず中断が多かった。10何回まで数えたけど、バカらしくなってやめたほどです。

 そうそう、物忘れが酷いといえば、対策として木曜はかなり十分寝たけど、効果なしなのか、日曜日も仲間との河原の清掃も忘れて、寝過ごし、うんボケでなくぶったるみでありました。

 あと外出といえば、高校受験の結果が揃ったので、知人に祝いを配って歩きました。長年塾を経営してきたので。中学生にとり合格がいかに嬉しいか知っていたから。因みに、ぼくの教えた子3人は、学校に海老名、厚木東、そして厚木北高の受験を迫られていたけど、それぞれに平均46点で厚木、42点で海老名、そして本人申告34点で北へ合格。「ヤッタネ」で2ヶ月ほどの家庭教師を解放されました。

 で、今回のニュースは辺野古移転訴訟和解です。経緯からありえない話です。だからって「選挙対策か」の記事はいかがでしょう。メディアが憶測を記事にするとは、悪い癖です。

 一つ不思議です。某町議より農業体験したい方のやすいアパート探しを頼まれました。でも人・農地プランの叫ばれる折、就農者の家探しは農政課の仕事です。しかも空き家の多さは町の悩みです。でも、その町議いわく、「空き家バンクの所管は農政課ではないので相談を断られた」 えっ、まさか、もしかして縦割り行政の弊害か。信じられない。ぼくなら農政課をとおして話をつけられるけど……。

 最後に今週のイチ押し本。それはいとうせいこうさんの「想像ラジオ」です。おりから3・11の5年目ですが、その風化をおそれ、死者と残されたものとの新たな関係を訴えた本です。出だしは正直読みづらいけど、最後は目からうろこで読了しました。自分が鈍感かナイーブかのバロメーターにもなるでしょう。毎日の新聞の事件事故が他人事の方には意味不明の本ですので、念のため。



3月7~13 ~ただじれた1週間~

 週明けは愛川町議会の個人総括質疑の傍聴でスタート。といっても雨なのですべてライブ中継傍聴です。町の機器も協力してくれたのか、珍しくトラブル無しでした。

 さて、質疑者は6人で、共産の2名以外は各会派から1人づつ、まるで会は代表質疑の体でした。たしか4年前の同じ時期だと公明さんが発言していないので進歩ということか。でも公明さんといえば、新人が前回につづき質疑していないので、少し寂しいかも。

 ただし、あまり書くことなし。条例はたくさんあったが、法改正に寄るもので質疑なしだったし、補正予算案件はいろいろあったけど無論説明を訊けば済むものだったし。そんな次第です。

 でも、あえて加えると、法改正によれば何でもオーケーかはやや疑問。たとえば人事院勧告による給与改定がそれ。そもそも人事院が改定の資料にしている基準データがむかしから民間の給与の実態を反映してないと言われる。議員としては、国へ苦言の意見書を出す気概も欲しいと思う次第です。

 ともあれ、本日テーマの議案(条例、補正予算、指定管理者の指定など)はすべて採択されました。

 中一日あけて9日です。冷たい雨の土砂降りということで、自宅で会派代表質問のライブ中継で傍聴です。ん、ん、この場合は傍観か。

 さて、中身です。この時期の代表質問ですから5人。小倉、熊坂(崇徳)、小林、渡辺、そして井出の5町議が予算や施政方針などについてあれこれ質しました。で、メンバーを見ればわかるとおりに、個人総括質疑とダブリなしで、あたかも分業です。あれと思うのは、監査役の井手町議の登壇で、結局、新人では岸上町議だけ質疑なしです。

 あとひとつ、それぞれがかなり多面的に、そして大きな問題を多角的に取り上げたのは良いとして、さほど意見なし、要望なしでは何でしょう。今回の目玉の総合戦略に苦言の一つもないとは何でしょう。そして、新人の手本になるべき某ベテラン町議、代表質問の本旨「議案への疑を質す」を忘れ、通告書から脱線するやら、質問事項の順番があちこちになるやら、ほとんど持論の展開になるやらって何でしょう。

 相対的に見て、熊坂、渡辺両町議が順当。共産・公明が「らしさ」も含め妥当でありました。にしても、総合戦略の目標値への質疑が皆無だったのは無念です。

 つぎにここ3日間にあった気になるニュースです。まずは広島の中3の三者懇談(ふつうは面談)日の自殺です。報道では万引き歴誤記が誘因とされるが、果たしてそうでしょうか。じつは、この三者面談はむかしからかなりの数の親子を苦しめる制度の一つです。たまたま起きた万引き歴の問題を追っても根本の解決にはなりません。ぼくがかつて進路指導に関わっていたときも自殺未遂が3件、自殺が1件あり、それはその懇談(面談)のあり方に関係していました。本質は「どう面談制度を健全化するか」ですが、いまは触れません。新聞に訴える記事を書く予定ですので今しばらく待っててネ。

 あとひとつは高浜原発運転差し止めのニュースです。とりあえず仮処分決定の要旨を読みましたが、近年まれに見る説得力でありました。が、推進派の反論も、プロなのでかなりの説得力です。ぼくにはどちらが正論なのかわからない。ハッキリしているのはただ一つだけ。高度に複雑化・専門化・多様化している今日、法律の専門性だけでものを判定するのは不可能です。裁判官も分野別に専門化する時期だろう。たとえば化学裁判官とか投資裁判官とか医療裁判官とか。でなければ妥当な判決は出来ない。

 なお、今週、18歳選挙の折、「主権者について考える」フォーラムがあったけど、中身はむしろ一般人に聴かせる話です。ぼくたち大人こそ、主権者としての自覚に責任感を欠いているから。あと外出といえば、選挙近しで、ある国会議員の報告会でありました。



3月14~20 ~順番を代えてよ~

 今週は総務建設や教育民政の常任委員会がズラリ。したがいメインは委員会の中身のチェックです。が、じつは気抜け。本来、常任委員会は町が議案を細かくチェックし、そこで課題を見つけ、本会議でそれを徹底的に審議します。ところが今回は本会議(総括質疑や代表質問)が先でした。で、委員会で今さら何を聞くのか。結局、常任委員会は、ただたんに説明を伺うに終止した感じです。順番をかえてよ、でありました。

 その他の外出は、ある国会議員の会食と囲碁大会くらいです。この機会に触れますが、ぼくは年に10数回ほど国会議員とサシで食事してます。かれらの多くは、フォーラムやシンポジウムで知り合った方、知り合った地方議員に紹介された方、あるいはぼくのブログなどを見て紹介された方なのです。とおぜんそのテーマは具体的な国の政策の課題です。党派は問いません。意見を伺うことも言うこともあります。それなり意義があります。

 が、たまにとても不愉快もあります。特に選挙が近い時なぞ。そうした会食は、たとえば「玉利さん、お子さんみんな難関高校の出なんですか」とか「お祖父は貴族院議員だったとか」の家族の話題に始まり、私事で終わります。気を配り、話題をあわすぼくもいけないが、政策の話は抜きに終わりです。

 これ、なんですか? 選挙って市民へのゴマすりか。いや、ゴマっぽいとそれを喜ぶとユミンが多いということなのか。あるいは家柄、学歴、家族を誇りたい町民が多いということか。そう、年1,2度、気分の悪い会食もあります。なお、囲碁は2連敗のあと3連勝。くそっ。

 あとニュースですが、野球賭博に大いに腹立つ。犯罪に有名と無名の差別なし。小さく扱えよ。一方、足柄市職員の給与カット。こちらは大きく扱って讃えよ。因みにわが町など、町民の平均の倍近くの給料をもらっておいて、さらにアップだぞ。くそ。なお、オバマのキューバ訪問は良いニュース。これで国民の自由度が増すのを願う。そのほうがみんな豊かになると思わせるチャンスにしてほしい。

2016年3月18日金曜日

2月8日~21日



●2月8~14 ~ひたすらウツ?~

 歳とともに苛つかなくなり、ふだんはご機嫌です。が、このところなんかウツです。無気力。この原稿も2週間ぶり。何でしょう。

 もともとチョー寒がり。そのせいか、この頃、天候不順だし。いや議会が近いからかも。人口減を研究しても、提案できない。チェックできない。たぶん議員も町民も関心ないのないない尽くしだし。

 待てよ、いまは受験シーズン。昔はこの時期、焦って苛立っていた。でも、いま教えている中3生、頑張っているわけだし、あまり心配はいらない。だとすると、読んでいる推理小説が悪かったのか、なにかページ稼ぎみたいな不要な脱線が多かったし、肝心の犯罪心理の背景とか心理分析が抜けている。たぶんぼく的に不完全燃焼でありました。えっ、タイトルは何? まあ、営業妨害なのでそれはパスだけど、文春ミステリーベスト10かつ本屋大賞ランクインの話題作です。

 そう機嫌悪いといえば、今週のニュースも楽しくない。北がミサイルの準備したり、その批判にブチ切れミサイル飛ばしたり、またその批判にブチ切れ、拉致調査の打ち切りだとか。なんですか。もともと北など国家ではないし、調査などしてない。騒ぐから図に乗るガキの国でしょう。報道すべきは、どうすればガキ大将を潰せるか。あるいはクーデターを引き起こせるか。その一点で十分です。

 そしてニュースといえば、マイナス金利とそれに関わる東証15000円われもいただけない。消費低迷の原因は大企業経営者のインモラルのその一言です。利益至上主義、非正規や下請けへのしわ寄せ、社内留保主義。こんなんで誰が安心して消費できるか。経営者の勲章はいかに労働者を大切にしたか、です。メディアにその視点がない。

 ああ、もっとウツになりそう。

 そうそう、ニュースといえば、開成町の子供ジャズが、スチューデント・ジャズ・フェスの東日本大会で優勝。これはおめでとうです。実はこのジャズ、ぼくも3回、開成町へ聴きに行って思うのは、えっ、子供がこんなにもジャズを楽しむんだ、ということ。それが伝わり、ぼくも楽しくなります。うーん、指導者がスゴい。そして、昨年は町制60周年の若者の音楽祭にこのジャズを招くべく、町へ働きかけたりしたけんど、結果は無視されて残念……。

 あれ、結局はやな話。どうもこの一週間はウツでした。



●2月15~21 ~抑止力への勘違い~

 今週は少し立ち直り、外出3回、メインは「がんばろう日本国民会議」の勉強会でテーマが「抑止力」なので、市ヶ谷へ行く。

 さて、抑止力といえばだれでも思い浮かべるのが例の安保法案。ご存知、この法案の賛成者の多くは、「日本の周辺がきな臭い折、、防衛は必要だし、法案は抑止力になります」で。そのとおり、防衛なくして安全保障なしですが、欠陥もあります。その防衛力が周辺を不安定にし、戦争を誘引するのも事実です。ちょうど中国や北が日本を刺激するみたいに。あと一つ、抑止力以前に法案は違憲です。

 では、法案反対者はどうでしょう。無防備な平和主義が戦争の抑止になりうるか。結論、ありえません。そんな歴史はありません。日本が平和なのは曲りなりに安保があるからで、平和憲法が抑止した証明はありません。彼らの説得力は「法案は立憲民主主義に反する」、この一点だけです。

 そんな折の勉強会です。勉強会の中身は、「防衛の必要性とその違憲性をどう調和させ、抑止力を機能させるか」でありました。

 その話を聞きながら思い出します。30年も前に似た話を中学生にしました。「人間の歴史は、宗教戦争、民族戦争、領土戦争、経済戦争……とにかく戦争の歴史です。きみたち、それを抑制するものは何ですか」「ハーイ」みんなが手を上げ即答しました。「そのための機関が国際連合です」 今ほど、国連の無力を誰も問題にしません。どうなっているのでしょう。七不思議の一つです。

 あと外出といえば、他町のサポセン(サポートセンター)の交流会と町内の雑誌の懇親会です。交流会といえば、町内でもありましたがパス。というかわが町のサポセンのボランティア交流会は、参加団体の紹介に時間が費やされ、なかなか団体同士の交流までは行きません。が、県内には団体間のコラボが盛んなところがあります。なぜ盛んなのかを見に行きました。まあ、当たり前ですが、進行が、まさにコラボへまっしぐらでありました。

 で、地元の雑誌、原稿を書く方の集まりです、こちらはやはり話をしたくて仕方ない年配者の集いです。ぼくは圧倒され、ひたすら拝聴した次第です。どこか傾聴ボランティアの気分でありました。

 それから、「今週のニュース」はパスし、「今週の読書」です。5冊読んだけど、イチオシは「産後クライシス」です。俗に、夫婦の愛は出産前後にさめて、2度と回復しない、と言われます。また離婚の7割が出産から子供が5.6際の頃と言われています。さらに折から国会議員の“イクメン詐欺”がありました。で、読むと、なぜ、いま若い人は晩婚、なぜ結婚しない、なぜ少子化。そうしたヒントが盛り沢山です。そして行政の少子化対策としての子育て支援にピント外れが多いのもわかります。ぜひ、ぜひ、とくに男性の一読を願います。ぼくなぞ、この年齢にして女を理解してなかったと痛感しきりです。



 もう一つは小保方さんの「あの日」です。例の万能細胞事件の真相は何かは別にして、科学の先端とそれが孕む問題が見えます。文科省の文系不要論のミスを実感する方もいるかも。専門用語が多いけど、挑戦の価値ありでした。

2016年3月7日月曜日

2016年1月10日から



●1月10~16 ~気になる人口減対策~

 ご存知、国は地方に人口減対策(まち・ひと・しごと創生)の27年中の策定を求めた。というわけで、大詰めの今、厚木・相模原・海老名……、次から次へ「人口ビジョン」と「総合戦略」とが発表されている。とはいえ、わが町はそうした元気な町ではない。減少率は県内56市区町村でワースト10、ここ数年はトップランク入り。というわけで、今週はまず周辺市町の対策ぶりの調査で大変でありました。

 さて、そんなわけでちょっとした外出は3度のみ。1つ目は町内一周駅伝です。今年は来賓席でないありがたさ、この機会にコースを追走してみました。すると、人、人、また人。沿道にはきっと1500人は越す町民の支援です。情報は新聞販売店の折り込みで知ったとか。でも主催者は町です。しかもわが愛川町は「スポーツ宣言」のまち、販売店頼みでなく、もっと自分たちで宣伝してよ、と思うわけ。

 2つ目は「やまゆり」関係。たぶん団塊世代ならご存知、64年の東京オリンピックのヨットレースで伴走した帆船の名です。その美しさに人呼んで「海の貴婦人」。ぼくなぞ、少年の胸をときめかせたクチです。

 いま、ふたたび次の東京オリンピックで走らせたい。が、老朽化がひどく、修繕、維持と管理に金がなく、寄付募集とか。で、ぼくも江ノ島まで確かめに行きました。うん、やっぱ、貴婦人はご高齢でも美しい。チョー貧乏でも、「青春をありがとう」の気持ちでなんとか寄付をかき集めるつもりです。

 そして3つ目。「Aikawa Adventure」です。トレッキング、オリエンテーション、サイクリング、etc。その出発点が地元なので観に行くと、若者がぞろぞろ。どこから集まってくるのか。訊けば、みんなネットで知り2,3日で定員オーバー。ぼくが町内の回覧で知った時にはすでに締めきり。町も後援している限り、もっと素早い行動を! そのため肝心の町民の参加はパラパラ。こんな感覚だと「若者に人気のまちづくり」できません。

 ただし一つ苦言。ぼくの家の前がオリエンテーションのコースで、次々若い人がやってきて、スマホを見せ、「ここはどこですか」 おい、人にものを尋ねる場合は「すみません」とか「ありがとう」の一声もな。

 それ以外は、調べ物だけだと滅入るので、本を3冊、中でも17歳で芥川賞の「黒冷水」はキラキラ、しかも中学や高校生の親の必読のおまけ付き。それと「流」で直木賞をとった東山さんの「路傍」 でも東山さんの面白さは読者の頭の回転の早さも試される。自信のある方は挑戦を。



●1月17~24 ~気になる人口減②~

 周辺市町村の人口減対策が次々明らかになる折、我町のビジョンと総合戦略が発表されました、そこで意気込んで読む。と、ン、これなんなんだ、これ! ほとんど周辺市町村と変わらない対策、ということはすでに町が取り組んできたこと、と、そしてあまり成果を挙げなかった事業もズラーリ。だから何なんだ。

 考えるまでもない、たとえば町が海老名や厚木の真似をしたとする。同じ対策だとする。ならば人はより交通の便の良い、より元気な海老名や厚木に流出するだろう。「真似」の意味は、真似しなければ愛川がもっとダメになるだけで、それ以上ではない。たいせつなのは「真似」は最低限の必要条件で、それにどうオリジナルのプラスを付け加えるか、十分条件を加えるか。それがない。

 そこで、ぼくは(とっくに知っているが)すでにオリジナリティで評判の先進地の総合戦略を7件チェックしてみた。おお、やっぱ独自色に磨きがかかり、大胆でありました。

 ならば、町民には、まず町の人口ビジョンと総合戦略を知ってもらい、危機感を持ってもらう他ない。愛川のオリジナルな対策はその後の話です。

 つい長くなったけど、そんなわけで今週は、周辺やわが町の「まち・ひと・しごと創生」の精読と、愛川町の実態を訴える原稿書きに手一杯でした。

 主な外出は2回だけ、一つは川崎のヘイトスピーチへ反対する方のする会です。正直、ぼくは北はもちろんパク政権などヘイトですが、それとこれは別。だからといって在日をヘイトする人はさらに嫌い。その偏向はかえって日本人を貶めているから。で、集会の感想。在日(朝鮮人)自身が中心になってヘイトをヘイトするのではなく、川崎市民自身が、ヘイト団体を日本人の恥部とみなければ、この問題は解決しない、です。

 もう一つは旭区の左近山団地の再生委員会の集いの見学。ぼくの町では旧相川地区の活性化が叫ばれているけど、ちっとも地元住民は動かない。昨年など、地元の区長と町議の集まりで地元からの行動をおこす必要を訴えたら、K町議に「そんなことを本気でしたいなら町議をやめろ」と罵られたりして。で、左近山で学んだ感想。「区長(自治会長)さん、選挙田の建前だけの町議に願っても、旧愛川地区は活性化しませんヨ」です。

 なお、気になるニュースも一つ。折から、「第6回地域再生大賞」が発表されました。ぼくは、すでに議会でそのいくつかは報告してきましたが、受賞事業はいつもアイディアに富んでいます。皆さん、総合戦略のオリジナル性の参考に、ぜひ一度、情報を検索したらどうでしょう。



●1月24~31 ~甘利大臣辞任の背景~

 今週は3度ほど所要の外出をしていますが、ほかは今までの流れの延長で、せっせ、せっせ。わが愛川町の「まち・ひと・しごと創生(人口ビジョンと総合戦略)」の実態を訴える原稿書きでした。

 外出でありますが3箇所で、うち2つは人口減関係の町民と議員の意見交換会です。なかでも南足柄が地方創生をテーマの中心にしたのは一つの見識でありましょう。この町は創生案づくりの過程で危機感を持ったので小田原との合併も視野に入れ出しました。これまた一つの見識か。というわけで傍聴に出向いたのです。が、残念。町民の危機感はそれほどではなかった。ともあれ、ぼくの町の意見交換会のテーマも地方創生にしてほしい。

 それからあと一つは、小林節さんの講演会へ。国会で安保法案を違反とした学者の話です。ぼくも、法案の良し悪し以前に、この法案の策定手法は立憲主義に悖るとする立場ですので、話を聞きに行きました。ただし、事前にかれの「白熱講義! 集団的自衛権」は読んでいるので、新たに得るものはなく残念。なお、会場で「戦争法案反対」の署名活動をしていたけど、ぼくはパス。ぼくも個人的には安保法案の中身は戦争法案に近いと思うけど、法案名が安保法案なので、違憲法案と呼べば、幻の法案への署名になるのでパスでした。じっさい、この法案を戦争法案と呼ぶのは一つの恣意です。ちょうど憲法9条を解釈憲法と呼ぶのが恣意であるのと同じに、ぼくは「恣意」を否定する。賛否は堂々としてほしい。

 ところで今週最大のニュースは甘利大臣辞任です。直接の原因は、知る通り、100万円の本人の受け取り。その点、辞任は当然ですが、どうも報道の仕方が気に食わない。受け取りを追求するのは良い。批判も良い。自民党の体質を気にするのも、まぁ、わかる。しかし、果たしてこれは自民党の体質の問題だけだろうか。ぼくは、違うと思う。

 それ以前に、人はどうやって選挙のときに投票するのか。その人の「政策で決める」はほとんどない。地元だから、知ってる人だから、親戚だから、挨拶してくれるから、握手したから、おごってくれるから……。そしてその延長にあるのが、自分のために何かしてくれるから。これは自民党の体質ではなく、地方議員そのものの体質ではないのか。たとえば地方議会の一般質問さえそうだ。ここは本来、町、市、県全体にかかわるテーマを云々する場、政策を論じる場だが、」じつはそうなってない。ぼくは町議の時、どれほどたくさん、本会議で、どこそこの道路の枝を切ってくださいとか、どこそこに信号をつけてくださいとか、あるいはテニスコートを張り替えてくださいとかの要望を耳にしてきたことなのか。そして、これらの大半は、実は特定の個人の、あるいは特定の団体の要望なのです。こうしたものは、直接、所管に伝えれば済むが、あえて一般質問でする。要望者に、団体に、「オレがやりました」と見せるため、次回も投票してもらうため。その延長線上にあるのが、つい菓子折りをもらった、つい金をもらった、そしてその体質の行き着く先が市議から県議、県議から国会へ及んだ体質なのです。まず地方選挙のありかたを変えないと変わらない。」ああ、根は深い。ほんとにその人の政策で、政策実現のための活動で人を選ぶ選挙になる日はいつのことやら。ぼくの国に、民主主義のルールはあるけど民主主義はない。腹のたつ甘利問題なのでした。



●2月1~7

 今週は、いきなりストーブがこわれて、寒さに震えながら始まる。ちなみに室温3度です。

 さて、主な外出は3回。で、2日は県の厚木土木事務所へ。用件は、馬渡橋の架替工事で中断している花壇をどこへどう作るかの打ち合わせ。こんなことで、ふつう町ならいちいちボランティアに声をかけない。もしや県のほうが協働が進んでいるのか。

 4日は横浜へ。この頃、時間と懐(ふところ)具合の関係で構想日本のフォーラムをサボりがちです。そこでフォーラム常連の市議3人と情報交換でありました。そして6日が中井町。人口減社会の折、「意見交換会」の傍聴です。なにしろこの町は愛川町に並ぶ人口減町なので参考になると思ったけど、危機感はイマイチ。ということは、イマイチだから対応が遅れるのでしょう。そういえば、」小田原と合併協議会を立ち上げる南足柄市の人口減率はわが町より10ポイントもましです。たまたまこの2市の減少率は同じだからスケールメリットを追うのでしょうか。

 なお、こんなことばかり書いていると、「県内ではどこが危ない?」と聞かれる。危ないかどうかは危機感次第だが、単純に減少率のワースト3は。箱根を筆頭に真鶴、松田です。それに山北、そしてわが町の隣の清川さんが続きます。よく人口減対策の一つに観光対策があげられるけど、それは経済対策とはなっても人口対策ではない証です。参考にしてください。

 ついで今週の本の紹介を3冊。イチオシが青山文平さんの「つまをめとらば」です。さすが年輪を重ねてからの受賞作品。とにかく文章がすごく良い。そして中身。ぼくはとかく現代とくらべて、やれ昭和はよかったとか、明治の大切なものを失ったという。が、これを読むと、それ以上に江戸時代にあった日本人の大事なものを気持ちよく思い起こさせてくれます。長くなったけど、2冊めはそれと対照的な有川浩さんの「植物図鑑」です。ぼくたちは「この頃の若者は元気が無い」とか「根性に欠ける」が口癖ですが、こちらにそうした若者の、昭和にはない癒しの世界が描かれています。ぼくたち昭和男の果たせなかった青春とでもいうのでしょうか、読めば素直に反省しながら、気持よく「回春」できるかも。そして、「過去」と「現代」とくれば、「未来」です。このまま「昭和男」を強引に押し通すと将来どうなるか。原宏一さんの「床下仙人」です。冷静に考えると恐怖の話を、おもしろおかしく読める不思議な奇想小説でありますが、ぜひ一読を。

 最後にすこしカタイ本、「子供のまま中年化する若者たち」(鍔田恭平)です。これこそ年配目線のこの頃の若者の分析本です。この本のテーマではないけど、読めば反面教師的に、少子化対策がうまくいかない理由が見えてきて、それなりヒントになるでしょう。

 終わりは恒例のニュースについての寸言。まずは頭にきたのが、清原が薬物を服用した話です。といっても、その良し悪しの話のことではありません。なんですか、メディアの大ニュース扱いは? そんなものに大紙面を割くなよ。

 そもそも今やクスリの事件は日常茶飯事。それを大ニュースとは。清原がかつて超有名野球選手だからか。それとも“ガタイ”に似合わぬ犯罪故か。でもネ、それだと同じ犯罪で無名で普通体型だと罪が軽くなるみたいで不愉快です。イケナイことまで大物扱いしてどうすんの。メディアの有名病は困ったものです。

反対に気になったのが台湾・高雄の大地震。そこで思い出すのが3・11です。あのとき中国人がたくさんボランティアでやってきました。その時、同じ中国人で本土の人にはボランティアにかこつけた情報収集の人がいっぱい。一方、台湾人は、同胞として、ほんとに日本人を心配してくれました。こんなときこそ、メディアは「あの時の恩を忘れるな」と訴え、日本からの支援を呼びかけてもらいたい。おりから本土の中国の横暴は目に余る。その抑止のためにも。今日、マスコミは何が大切なニュースかの視点を欠いている。メディアがミーハー化し、大衆迎合し、社会的責任を忘れたせいだろう。

戻って、メディアは人口減少問題でも、表面の対策に目を奪われ、その本質を追求していない。木を見て森を見ずだと、ぼくたちは一億白痴化してしまう。



2016年1月24日日曜日

2015年12月14日から



●12月14~20 ~人口問題おさらい~

 10ン年ぶりにやることなし。というか、イベントとかフォーラムとか研修など、目的を持って外出すること無しでした。むろん所用で近所に出たり、知人を訪れたりしたけれど。

 ともあれ、1に読書、2に読書の日でした。まあ、来年1月には町が公表する人口減対策(ビジョンとか総合戦略)に危機感があったので、そっち関係の“おさらい”が中心でありました。今回は読書の中から1つ2つ思うこと。



●IS問題 ~日本人にできること~

 思うことといえば、筆頭はISのテロ関係。外務省が良くないのかどうか走らないが、フランス人が被害にあえば大騒ぎ、ロシア機が落ちれば大騒ぎ。そしてアメリカがそれ見たこととかとISの殲滅を決意すればまた騒ぐ。はては何故か日本の首相までそれに同調。

 むろんテロがいい、という意味でない。メディアの報道からはその背景がほとんど何も見えない。かれらをテロに駆り立てるものは何なのか。原因も見えないで、掃討できるのか。

 そもそもぼくは、メディアが彼らのテロを「聖戦」と表現した時から不信に思う。

 あいまいな記憶では、歴史上の最初の聖戦は第一回十字軍の遠征に付されたもので、目的は聖地の奪回でした。そう、メッカにエルサレム国を建てようということで、キリスト教から見れば「聖戦」でした。それに対し、イスラムはどう対抗したか。「ジハード」である。この言葉は、今日、メディアは「聖戦」と訳しているが、その訳はありえない。敵国の言葉を使うわけがない。事実その原義は「努力」に近い。キリストを含め、異教徒から自分を守る「努力です。たとえば信仰を深める努力、アッラーを信じる努力、経典を信じる努力です。またそのための行為をする努力、信仰の告白や礼拝や断食などの行い、ふつうのムスリムによれば、いわゆる「六信五行」の努力が「ジハード」でした。そう、「ジハード」はかつて「聖戦」でなかったし、もともとイスラム教は、異教徒に寛容だった。そして寛容ゆえにインドネシア・モンゴル・中国まで広まったのです。

 一方、「聖戦」の本義です。こちらは、高校生まで世界史を齧った人の知るとおり、十字軍の「聖戦」は変質していきます。たとえば8回目となると、完全に、宗教を離れ、商工業地、貿易港の略奪です。利権戦争です。たんにテロです。つまり「テロ」を「聖戦」と呼んで良いとイスラムに教えたのは イギリスであり、フランスであり、アメリカその他でありました。ちなみに、いま中国は、ウイグルをテロ呼ばわりしているけど、かれらの多くもイスラム系で、かれらが占領軍の中国に抵抗しているだけなのも周知の通り。

 まあ、長くなるので端折るけど、十字軍の末期から今日まで、アラブの世界は、植民化の歴史であり、独立戦争の歴史であり、独立時の国境は他方、欧米諸国のご都合で生まれたのも、これまた周知です。その間、どれだけ、多くのアラブ人が死んだでしょう。難民になったでしょう。イギリスやフランスやドイツやイタリアやロシア……こそテロ国家ではないですか。報道にその視点がありません。

 更に端折ります。欧米、とくにイギリスの都合でイスラエルが樹立され、その年、第一次中東戦争が起きてから今日まで、ほんの2世代間に、中東から北アフリカにかけ数えきれない紛争があったけど、共通項は膨大な民衆が巻き込まれ、死に、あるいは難民となり、そのたびにイスラムは原理主義化し、尖鋭化していくのは人のおもむくところです。たとえばアメリカのブッシュの仕掛けた戦争はどうでしょう。死亡者は難民、移民を含め400万人に上ります。そして、これが彼らを追い詰め、かえって、原理主義のムスリム同胞団の結束を強め、ISの“素”をつくってきました。

 言葉を帰ると、ISに参加する若者の多くは、親やその親や親戚やまして知人が殺されたたり、難民となったりしています。自分は移民となり、差別され、虐められたりしています。テロは100%許せないけれど、こうして追い詰められた若者がそっちへ走る気持ちは理解できます。にかかわらず、その間、十字軍の遠征から今日まで、たぶん直接と間接とで1000万を超える犠牲者を出した。いまでも出している“欧米のテロ”の実態はどれほど報道されているでしょう。反省はどれほど報告されているでしょう。ここ10年ほど「不都合には眼をつぶる」が欧米のメディアです。欧米がはじめにテロ国家です。

 幸い、敗戦に懲りた日本人は反省好きで平和好きです。韓国がベトナム戦争で膨大な売春婦を提供しても、そちらには眼をつぶり、慰安婦に反省するほどです。日本が南京で1万人ほどの虐殺をしたのを、中国が30万人と表現していても、ひたすら反省です。そして今もウイグルでイスラム教徒を抑圧していても報道しないほどです。まして、日本にアラブ人を殺した歴史はありません。なぜ今さら欧米への協力をする必要がありましょう。

 IS問題の本質は利権に巻き込まれた戦争と貧困の連鎖です。一つの解決は、その貧困を絶つことです。豊かさは過激への処方箋です。ぼくたちがするべきは、ISではなく、難民や移民への経済支援でしょう。そして、その正当性を証明するための、欧米の欺瞞を暴くことでしょう。欧米の過激化への加担ではなく、自制を促すことでしょう。ヘンに加担しわざわざ国内にテロを誘発することをぼくは危惧する。イスラムの本質は、それが宗教である以上、もともとは平和を望んでいるのです。刺激さえしないかぎりは。



●あと一つと思ったが、ついIS問題が長過ぎました。で、今度は手短に、代わりを2つ。

 1つは「夫婦別姓合意」の記事。これってなんなの。3紙ほど読んだけど、どの新聞も父ちゃんの姓にしたい方と旧姓を名乗りたい方の意見を並べただけ。しかもどっちも「アイデンティティに関わる」だとか。ほんとにそうなの。ぼくもそうだけど、知人の腰巻きさんとか色魔(しかま)さんとか、「俺はアイデンティティなんて知らないけど、この際、母ちゃんの名前にしたいよ」だって。また別姓だったら子供のアイデンティティとかどうなるわけ? しかもそのアイデンティティとやらは辞書にも載ってない。アイデンタティならあるけンど。

 だとすると言いたい。この問題、価値観が多様化している時代、個人が大切にされている時代、ほんとうに憲法が規定するとか関わる問題なのか。ならば、どの条文が関係するの。その一番の肝心についても報道はゼロ。何でしょうね。

 なお、おまけだけど、辞書にないとと言えば、流行りの「ハイブリッド」もない。そして多くの方が、この語が自動車の用語以前に「雑種」とか「混成種」の意味だったことも知らない。気になる。ちなみにハイブリッド自体が、ハイ(high)とブリード(breed)の混成語という説も。

 それからあと一つ。裁判員が死刑とした人が初めて執行されたニュースです。テーマは「そのために傷ついていいのか」 これもよくわからない。「裁判官は傷ついても良い」ともなるし、「キズつかない特殊な方」になる。そうなのか。そして傷つくなら「裁判員はなぜ初めて引き受けたのか」ともなる。さらにはそんな重大は判断をするのに「なぜ報酬は低いのか」ともなる。報道にそのあたりのことはなにもない。



 結論、この頃のメディアは、横並びの記事ばかりで、問題を掘り下げない。こまったもんだ。結局、ぼくはいろんな本を買うハメになる。

2016年1月13日水曜日

2015年12月9日から



●12月9日 晴れ ~ウッ、日程変更~


 今日は総務建設常任委員会の日。さて初めての委員会なのでどうなるとおもいきや、うっ、委員会なし。思えば、安保法案についての陳情があったが「机上配布」扱い。つまり審査しないことになりました。それで、この委員会は議会の初日にふつう1月に実施される所管事務調査の打ち合わせをして終わりにしたのでありました。

 にしても議会だよりの日程(予定)だと、今日が常任委員会の陽だから勘違いしやすい。無駄足の方もいたかも。日程表に(※予定ですので変更になることもあります。事前にご確認ください)とあれば親切ですよね。



 ところで新聞に「診療報酬1%値下げ」の記事です。よく読むと、薬価は値下げで、医師の技術料は値上げ。しかも高額医療費の上限を下げそう。これまたまやかしの参院選対策かも。ほんとに国民を馬鹿にしています。



●12月8日 晴れ ~腹立つな、もう~


 教育民生常任委員会の日です。いろんな陳情審査がありました。で、結論は?

 国や県に私学助成の拡充を求める陳情です。「趣旨了承」、先日書いたとおり、「賛成もどきの反対」です。町の予算に関係ないので、国に意見書を出し、議論を深めて欲しかった。

 手話言語法制定を求める陳情です。前回は否決で、今回は陳情者の説明があって「採択」 なんじゃ、これ。ということは町議の勉強不足の露呈です。アホらしい。

 そして医療・介護の夜勤改善や増員と介護従事者に勤務環境の改善関係です。前者が「一部採択」で後者が「趣旨了承」となりました。このところメディアでは介護施設でのイジメや暴力の記事が目立ちます。人手不足と低賃金で、イライラが溜まったり、ロクな人材が集まらないせいと言われています。町議は新聞も読まない、実態も調べないのでありましょう。その中で、新人の阿部町議はそれなり意見を述べたとか。少しは救われる。



●12月9・10 ~あれー え、まる秘なの?~


 とくに個人的な活動なし。せっせ、せっせとこの原稿を書いたり、新聞広告の記事を書いたり、あとは読書くらい。

 そして個人といえば、野坂昭如さんの訃報で思い出す。かれも兄も30代で、ぼくが20代の頃です。野坂は売れっ子で鼻息が荒かった。兄は、ボディビルブームの中で斯界(しかい)の有名人。どちらがケンカを売ったか忘れたが、野坂さんが三島さんのボディビルをナルシズムと一刀両断したことで言い合いになり、田端にあったジムに乗り込んできた。当時、そこで手伝いをしていたぼくはどうなるかと思いきや、たしか「ボディビルも物書きもマスターベーション」ということに落ち着いた。

 それが半生記たち、確信する。そう、そもそも人生はマスターベーションにすぎない。ただし、人のマスターベーションには2つある。自分だけ満足と他人を満たすものがある。そこは峻別しなくては。なかなか難しい。

 ところでこの2日、あちこちから噂。会期中に27年度中の策定を国から求められている人口減対策(「まち・ひと・しごと創生ビジョン」と「総合戦略」)の質疑があるそうな。議場でやるべきテーマか隠れてやるべきテーマかも峻別してほしい。



●12月11日 雨のち晴れ ~今イチ最終日~


 強い雨ン中、議場へ。議会の最終日なので、質疑、討論、採決の日です。

 まず質疑であります。4年前は新人も頑張ってやったが、今回はゼロ人が寂しい。まあ、一般会計の補正予算ぐらいしか課題を含む議案はなかったが、だから“練習”で取り組んで欲しかった。そして、課題といえば、崇徳町議がタブー(?)の北部病院への利子補給を取り上げていたのは評価。この問題を扱う懇話会へ公認会計士を入れろの提案は買うけど、とにかく病院の会計を公開しなければチェックしようがないのがこの問題だよネ。で、対論は井上町議の賛成討論だけで、採決はシャンシャン。県下でも共産だけの賛成討論は珍しい。

 それから陳情議案でありますが、所管委員会の審査通りになったので、中身は省略。気になったことだけ2,3です。

 まず新人の鈴木町議が発言したのは内容はともかく、評価。それから「手話言語法制定についての国への意見書提出」だが、今回は提出者が委員会で説明したので採択とか。何なの。ということは、前回は勉強不足で否決だったのか。あとひとつ。反対に、前回は賛成で今回は「趣旨採択」もありました。これは「趣旨採択」を「採択」と同じ意味にとったのでしょうか。委員長の説明不足か?

 そんなこんなで12月議会は早々に終わりです。とうことは、例年なら、夜には町の理事と町議との懇親会か。そして、ということは、夜は。あまり話の中身のない飲み会でしょう。4年前、新人議員として空しかったことを思い出す。

 議場を出ると、雨がやみ、小春日和です。でも、ぼくの心には冷たい雨が降っていました。



●12月11日 うす日 ~性同一性障害って


 このところ性同一性障害が巷の話題です。おとなりの海老名では市議が差別発言で辞職勧告を受けたり、県議のブログがこの問題で炎上したりだが、その折、性同一性障害者の性転換体験が聞けるというので、朝、ある町議と情報交換してから横浜の関内へ。

 で、行ってみてガクッ。ぼくは新聞記事で知ってでかけたのだが、参加者はわずか5人。ごく“ふつう”の人も議員もいなかった。その5人全員が「これから男へ」の予備軍。見かけは4人がすでに男性でした。

 さて、中身です。参加者が同じ障害者ということなので、9分9厘が手術前後の転換決意の悩みとか、手術の実態とか、それに術後のケアとか、まあ、同じ当事者にとっては十分に役立ったと思います。

 が、個人的には、発達障害もそうですが、この「障害」という言葉が気にかかります。この言葉が差別語だからなくせ式の短絡ではありません。「障害」と呼ぶことで。世間の理解を深めることも、本人の気持ちが楽になることもあります。反対に障害の自覚が本人を甘やかすこともあれば、障害を取り除く障害になることもあります。アジアに貧困地帯にいくと、世間も本人も障害に気づかず、けっこう、ごく自然に生活していて、かえって本人のためになっている場面によく出会います。障害者とどう向き合うか、そのあたりを知りたかったのですが、体験談とその視点がなくて残念でもありました。

 障害者を差別してはいけない。多くの方が頭では理解しています。しかしぼくたちが障害と実感するのはむずかしい。そのギャップからうまれる悪意のない溝はどうやって埋めるのでしょうか。考えさせられた一日でした。

 なお、この日、町議も含め4人の方から、前日、本会議の跡、議員のみ全協があり、そこで町から人口減に関わるビジョンや戦略の説明があったと耳にしました。こんな重大事が、なぜ、町民がカヤの外の全員のみ協での報告なのでしょう。“小島内閣”になって早くも2度めの秘密案件となります。小島議長にはくれぐれも「開かれた議会」への努力を願いたい。期待してます。

 そして、前日といえば、あと一つ、恒例の議会最終日の「町と議会の宴席」はなかったとか。それ自体は悪く無ない。しかし、酒を飲めない町議が、「ムダ」を理由に反対なら。少し変です。ムダは昔からムダだし、ムダを有意義に変えるのも議員の仕事です。