さて、そのプーチン。出発点は国の安全保安にかかわるあのKGBの諜報員。そのKGBの仕事は、国家の安全といえば聞こえは良いが、仕事は時の権力者が誰か、たとえば共産主義者か、政府か、あるいは国を操る財閥か、早い話が権力闘争の手助けで、はっきり言うと、諜報、罠、脅迫、拷問、はては大量殺人。自分の主義はどうでもよい。
その仕事の中で彼が身につけたのは、権力とは何か、権力は儲かる、世の中権力を握った者勝ち。そのためウソなど朝飯前、そうしてその中で、彼がロシア史を学び、憧れたのがピョートル大帝です。「略奪こそ権力だ」です。
思えば、ロシア人は、ウクライナと同じく、先祖はスラブ系ですが、北スラブ系でバイキングや狩猟民族で、いずれにしろ征服と略奪で繁栄してきました。征服や略奪は力のシンボル誇りであります。因みに日本の北方4島ですが、プーチンはサハリン州(4島に隣接)の人に言ってます、「4島は戦利品ですから、ロシア領で、返さない」。
彼が振り返る歴史。ウクライナの始まりと言われるキーウは、かつてはモスクワ王国の戦利品だったし、ロシア革命以降はウクライナ人は農奴に代表されるように奴隷扱いで、ドイツと闘うときは弾よけみたいに駆り出される。そんなウクライナ人が、旧ソ連の崩壊で解放されたなんてプーチンは許せない。むろん、侵攻でウクライナが抵抗するのも許せず。かれはウクライナ軍をネオナチと言いたてる。ちなみにゼレンスキー他、多くのウクライナ人はユダヤ系のスラブ人ですから、かつはナチスと戦っているのに・・・。
プーチンがどんな男か分かったでしょう。なお、ロシアの侵攻に関し、ロシアにも言い分があるという人がいる。これは、アメリカとイギリスの仲介で1989年にウクライナが独立を担保に核放棄したことを指す。が、放棄するやいなやロシアは独立を認めないと言い出した。そのどこが言い分なのでしょう、念の為。