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                   編集子 K



2015年8月13日木曜日

医療ツーリズム



 医療ツーリズムとは、一般的には、医療行為を受けるのに海外へ出かけることを指します。昔からその受け入れ体制、早い話、治療のやすさでタイが有名。近年は、外貨獲得の手段として中国が力を注いでいます。しかし、ここで大切なのは、価格だけでありません。先進性、高技術、安全性、対応の多様性、設備の衛生や快適さ、利便性、いろいろ気になるところです。そして、日本人から見ると、いま韓国が注目されています。なるほど、たとえば米国では2000万円かかるある病気の治療が韓国で300万円で受けられるなら、だれでも出かけたくなります。

 では、そのやすさの背景は何か。薬価か、人件費か、設備投資の安さか、あるいは医療制度か。たしかにそれも気にかかります。それらの背景の分析は、たぶん日本の膨大な医療費を抑制する上で、いろんなヒントを教えてくれるでしょう。でも、今回の調査もどきの景気はそれではありません。ある在日の韓国の医師の言葉「日本ほど医者になりにくい国はない。結局、医者になるのにあまりにカネがかかるので、医療費に跳ね返るのではないですか、医師が不足すれば競争原理も働かないわけだし」簡単に言うと、そんな話でありました。

 ぼくは長く塾を経営してきました。ぼくはその経験の中で、不必要に難関な医大入試と合格後の法外な入学金その他で、いったい何人の有為な学生が医大を断念してきたことなのか。その解決の手がかりも欲しかった。あゝ、医療ツーリズムにドクターコースはないのか。



 ところで、旅の間に読んだ「下流の宴」です。中身は、奇しくも、下流と呼ばれた人が、自分をバカにした見栄っ張りの中流を、医大に合格して見返す話です。女の見栄を書かせたら林さんの右に出るものはない、と言う。中流の俗物性の描写がすごかった。かの女もまた下流からスタートし、中流のイヤラシさを卒業したのだろうか。コンプレックスに悩む方はぜひ一読を。人の幸せと学歴・地位・経済力とは別物とわかります。