ぼくの認識もその程度でありました。しかし、最近、かの女の詩を静かに読み、3回も娘さんのアート作品をひとりで鑑賞する機会がありました。それで確信したのです。その作品は、ネコ、ヤモリ、カエル、時には、ぼくも子どもの頃に見た七色の星と不思議なものの浮かぶ夢の世界です。眺めていると楽しくなり、やさしい気持に浸り、癒され、元気をもらえます。子どもにかえる、なぜ。そう言えば、文学的には胎内は天国で、そこで生命をもらうぼくらは天使です。十月十日ほど人間になれる準備をし、オギャーと生まれ人になります。というかコミュニケーション(言葉)を蓄え、ぼくたちは人になる。そうです、かの女の作品にその種のコミュニケーションがありません。描かれているのは天国です。あらゆる生きものが、仲良く、伸び伸び共生している世界です。だから伝わります。音楽はそれ自体が共鳴みたいに。作品自体がコミュニケーションなのでした。
そう言えば、ねむの木学園の人、天使のまま大人になった方の作品もそうでした。大人で少年だった岡本太郎さんも同じです。そしてかのピカソがアフリカで画風を変えたのもそれでした。生きものと共生していないと描けない世界にピカソは打たれたのでしょう。コミュニケーション不足の子を自閉症と呼んだのは科学者の不遜かもしれません。ぼくは、はじめに「確信した」と書きました。あい子さんは、わが子は天使なんだ、と確信しました。そして、ぼくは、娘さんに励まされてもいると確信しました。あなたも、部屋に一枚どうですか。きっと明日へ翔たく夢をもらえるでしょう。
<なお、あい子さんの歌と作品展示のイベントは6/18日曜10時~17時、場所:カフェ 風のほとりで 相模原市長竹、長竹カントリーの隣です>