「スタジオにより」と書いたけど、寄ったのは某大手カメラ販売店のスタジオ。入ると若い女の子がカメラマン。ギクーとしましたが、不安的中です。
なにしろ、撮ったどの写真も頭に濡れた髪がベター。ネクタイは曲がっています。ズボンの裾はヨレヨレ。そして肝心の顔は、逃走に疲れた犯罪者みたいです。間で、何回も大丈夫ですか、と訊いたのに。
ぼくは、遠い昔、産貿ビル(横浜の産業貿易センター)で仕事をしていた時、そこに証明写真用のスタジオを併設していました。よくカメラマンに言い続けました。「きみの仕事は2つです。一つは、撮る準備で、客の身なりを整えてあげることです。そして、二つ目。撮るは奪るであり盗るです。まず客の緊張を奪るです。そして盗るは、その人の人生の年輪、喜・怒・哀・楽のでた瞬間を盗むことだよ」と。
撮影は、たんにシャッターを押す作業になったのでしょうか。カメラが進化し、バカチョンが一般化し、カメラマンが退化したのでしょうか。